18歳になるまで自宅で軟禁され、母親から虐待を受けた経験を持つ咲来(さくらい)美波(みなみ)さん(33)が25日、福岡市中央区で講演した。「何千回も死にたいと思った」と振り返る壮絶な体験談に、会場を訪れた約60人は静かに聴き入った。
咲来さんが福岡市内の病院で生まれたときは未熟児で、仮死状態だった。「生まれ方が普通じゃなかったから、母親に『お前はいらない子』『生まれた時に殺せばよかった』と言われて育った」
6畳の和室に閉じ込められ、一日何も食べさせてもらえない日もあったという。そんなときは、家族が外出中に生ごみの中から食べられるものを探して食べた。殴られても罵(ののし)られても「母はいつか変わってくれる」と信じて耐えた。
2005年11月、咲来さんはついに家を飛び出す。裸足で路上を歩いているところを、通行人の女性が案じて声をかけた。咲来さんは「この人も優しい顔をして悪い人じゃないかと怖かった。大人はみんな敵だった」。その後警察に保護され、事件が明るみに出た。
講演会には、虐待を受けた経…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル